今月の『本の駅・下新文庫』のお知らせ

日時:--年-月--日(-)

会場:アルピコ交通上高地線下新駅待合室

内容:古本の販売(小説、古典、紀行文、エッセイなどの文庫本が中心です)

 

※『本の駅・下新文庫』は「月に1回程度」「不定期」でオープンいたします。日時はしましま本店WEBサイト・SNSでお知らせいたします。

※災害・事故・その他の事由によりオープン日時が予告なく変更となる場合がございます。予めご了承下さい。

 


『本の駅・下新文庫』について

いまを生きる誰かの思いや、先人の知恵、メッセージが込められた一冊の「本」と、それを読者へ届ける「本屋」。

地域の玄関口として様々な人が集い、訪れる人をそこにしかない風景の中へと導く、地域鉄道の「駅」。

 

『本の駅・下新文庫』(ほんのえき・しもにいぶんこ)は、上高地線下新駅を舞台に、メディアとしての「本」と「本屋」そして「駅」の活用を探る、しましま本店の新しい取り組みです。

 

"一冊の本、その先の風景" をテーマに、小説、古典、紀行文、エッセイなど、200冊余りの文庫本をご用意して、月に一度、みなさまのご来駅をお待ちしています。

 


『本の駅・下新文庫』のテーマ①「スマホを文庫にかえたなら」

 

ある日の上高地線。車内には自分のほか20名ほどのお客さんがいます。その中のある人は、乗り合わせた知人・友人同士でおしゃべりをしたり、またある人は、座席でうつらうつらとしたり。外の風景をぼんやりと眺めたり、手元のスマートフォン(スマホ)に視線を落としている人もいます。

 

駅や車内での過ごし方は人それぞれですが、『本の駅・下新文庫』は、この時代にあえて、読書、本を読むことを提案します。振り返れば四半世紀前まで、本を読む人の姿は、駅や車内で見られるごくありふれた風景のひとつでした。当時を知る方であれば、それが活気に溢れた時代の一場面として蘇ることもあるでしょう。 

 

駅や車内で本を読む人が増えることは、そうした活気を直ちに再現するものではありません。しかし、本を読む一人が二人に、二人が三人に...と増えていった時に起こる変化。それはこの沿線地域に、新しい希望をもたらすものではないでしょうか。 

 


『本の駅・下新文庫』のテーマ②「どこにでもありそう」な風景を「かけがえのない」風景へ。

  『本の駅・下新文庫』の舞台 上高地線下新駅は、岳都松本の西郊、新村地区にあります。松本駅からは電車で十分余り。駅の周囲には、田畠の中に屋敷林が点在する「筑摩野」の風景が広がっています。

 

梅と桜が同時に咲く春、大地を緑が覆う夏、金色の稲穂が揺れ る秋から、冠雪の山々を遥か彼方に望む冬へ。そんな四季折々の風景の中を走る上高地線電車は、誕生からまもなく百年の節目を迎えます。

 

 時にその普遍性から「特徴がない」「どこにでもありそう」といわれるこの風景を『本の駅・下新文庫』では、唯一無二 の「ここにしかない」風景と捉え、地域の内外に共有したいと考えています。

 

ご来駅の際は、電車へのご乗車はもちろん、沿線にも足をお運びいただき、この風景の一端に触れてみてはいかがでしょうか。そうした人が、一人、二人と増えていった時「どこにでもありそう」な風景は、誰かにとっての「かけがえのない」 風景へと変わってゆくのです。